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情報フラッシュ [ 連載記事 ]
IFRS(国際財務報告基準)第5回 IAS第8号「会計方針、会計上の見積りの変更及び誤謬」
不正な財務報告 第5回 〜財務不正の発見2〜
[ トピック解説 ]
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情報フラッシュ

 
発表日時 表題
平成23年2月4日 企業会計基準委員会が、連結納税会社間で連結法人税の個別帰属額の授受を行わない場合の個別財務諸表における会計処理についての明確化の要求に対応するために、実務対応報告公開草案第36号「連結納税制度を適用する場合の税効果会計に関する当面の取扱い(その1)(案)」を公表しました。
平成23年2月18日 日本公認会計士協会が、監査・保証実務委員会研究報告第20号「公認会計士等が行う保証業務等に関する研究報告」(平成21年7月1日)の合意された手続との整合性を図る等の目的のため、「業種別委員会報告第30号「自己資本比率の算定に関する合意された手続による調査業務を実施する場合の取扱い」の改正について」(公開草案)を公表しました。
平成23年2月24日 日本公認会計士協会が、企業会計基準第24号「会計上の変更及び誤謬の訂正に関する会計基準」等の適用及び平成23年度税制改正において減価償却資産に係る定率法の償却率の見直しが行われることに対応するため、監査・保証実務委員会報告第81号「減価償却に関する当面の監査上の取扱い」の改正について(公開草案)を公表しました。
平成23年2月25日 企業会計基準委員会が、金融商品会計に関する国際的な会計基準の取扱い及びその動向に対応するために、「金融商品会計基準(金融資産の分類及び測定)の見直しに関する検討状況の整理」を公表しました。

トピック解説

 

 

今月のトピック解説はお休みさせて戴きます。

 


連載記事

 
 

IFRS(国際財務報告基準)第5回 IAS第8号「会計方針、会計上の見積りの変更及び誤謬」

1.はじめに

今回は、IAS第8号「会計方針、会計上の見積りの変更及び誤謬」(以下「IAS第8号」という。)を紹介します。我が国では、2009年12月4日に企業会計基準第24号「会計上の変更及び誤謬の訂正に関する会計基準」(以下「企業会計基準第24号」という。)が公表され、2011年4月1日以後開始する事業年度の期首以後に行われる会計方針等の変更及び過去の誤謬の訂正から適用されます。

2.会計方針の変更

会計方針とは、企業が財務諸表を作成及び表示するにあたって採用する特定の原則、基準、慣行、ルール及び実務のことをいいます。会計方針の変更は、以下の場合にのみ認められます。

(1)IFRSによって変更が要求されている場合。
(2)会計方針の変更が企業の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況について、より信頼でき、かつ目的適合性のある情報を提供する場合(自発的な会計方針の変更)。

会計方針を変更した場合には、過年度の財務諸表との比較可能性を確保する観点から以下の処理が求められます。

上記(1)の場合で特定の移行規定が定められている場合には、当該規定に従って処理を行います。上記(1)の場合で特定の移行規定が定められていない場合及び(2)の場合には、影響額が算定できない場合など、企業が規定を適用するためにあらゆる合理的な努力を行っても適用できない実行不可能な場合を除き、当初から変更後の会計方針を採用していたかのように過年度の財務諸表項目を修正しなければなりません。

企業会計基準第24号でも、会計方針を変更した場合には、原則として新しい会計方針を過年度に遡及して適用することとなっています。

3.会計上の見積りの変更

会計上の見積りの変更とは、資産に関する期待される将来便益や負債に関する義務の現状の評価の結果、資産又は負債の帳簿価額の修正や資産の期間的な費消金額の修正をいいます。例えば、減価償却資産の耐用年数の変更や引当金の設定の変更等がこれにあたります。会計上の見積りの変更は、新しい情報や事実から生じるため、過年度に遡及的に修正するのではなく、変更年度または変更年度以降の損益として処理を行います。またIAS第8号においては、固定資産の減価償却方法の変更も会計方針の変更ではなく、会計上の見積りの変更に該当するとされています。

企業会計基準第24号では、会計上の見積の変更を行った場合には、IAS第8号と同様に変更年度または将来にわたり会計処理を行います。固定資産の償却方法は会計方針に該当しますが、その変更は会計上の見積の変更と同様に取り扱い、遡及適用は行わないとしております。

4.誤謬の訂正

IAS第8号では、誤謬の訂正を行った場合には、誤謬が財務諸表の比較対象期間に発生していた場合、比較期間の金額を修正再表示し、比較対象期間以前に発生していた場合、最初の比較対象期間の資産、負債及び資本の期首残高を修正再表示します。

企業会計基準第24号も、IAS第8号と同様の取り扱いとなっています。

以上
 
執筆者:関和輝
 

 

不正な財務報告 第5回 〜財務不正の発見2〜

前回は、架空収益と計上時期の操作の不正の発見を見てきましたので、今回は、不適切な資産評価、負債や支出の隠ぺい及び不適切な開示・公開の発見について見ていきます。


[1]不適切な資産評価

(1)有効な分析的手続

資産を適切に評価しない不正については、在庫の回転率分析や、売上債権回転率分析、減価償却費のオーバーオール・テスト等、資産と費用の分析が効果的です。

また、滞留在庫や滞留債権の年齢分析等、滞留資産の分析を行うと不適切な資産評価の発見につながることがあります。

(2)分析結果における不正の兆候

不適切な資産評価を行っていると分析結果に以下のような兆候が現れる傾向があります。

・在庫回転率が低下している。
・滞留在庫が増加している。
・売上債権回転率が低下している。
・滞留債権が増加している。
・消耗品費が異常に増加している。
・固定資産に対する減価償却費の比率に異常な増減が見られます。

[2]負債や支出の隠ぺい

(1)有効な分析的手続

負債や支出の隠ぺいには、決算整理仕訳の前期末又は各四半期末との比較分析や経費の前期比較及び月次推移分析が効果的です。

また、支払利息のオーバーオール・テストや支払手数料や顧問料等の費目の詳細分析にも兆候が現れる可能性があります。


(2)分析結果における不正の兆候

負債や支出の隠ぺいには以下のような兆候が現れる傾向があります。

・費用の月次推移に異常な減少がみられる。
・支払利息等の金融費用と有利子負債の比率が異常である。

[3]不適切な開示・公開

(1)有効な分析的手続

不適切な開示・公開については、さまざまな開示があるので個々に分析する必要があります。 例えば、訴訟の開示であれば、訴訟費用と訴訟事件の対応関係分析が必要になります。

(2)分析結果における不正の兆候

訴訟の開示であれば、訴訟費用の発生額と訴訟一覧が対応していないなどの兆候が見られます。


次回は、財務諸表の不正の防止について解説致します。

 
執筆者:成田、田中
 


編集後記
 
 

3月11日(金)に発生した東北地方太平洋沖地震、時間が経つにつれて目を覆うばかりの甚大な被害が明らかになってきました。

被害にあわれた皆様に、心よりお見舞い申し上げるとともに、犠牲になられた方々と ご遺族の皆様に対し、深くお悔みを申し上げます。
関東の揺れは、震度5強と報道されました。
生まれて初めて体験したこの揺れは、日常で経験する揺れとは明らかに違う、形容し難いものでした。
連日報道される、被災地域や福島原発の映像をみていると、先行きの解らない状態に不安が募りますが、被災地域の復興を支援するためにも被害の少なかった地域の私たちが下を向いていも仕方がありません。
一刻も早く、日本全体が平穏な日常に戻れるようにできることから行動を起こしていきましょう。

 
執筆者:村田博明
 


       
 
 

  明誠ニュースレター vol.06
2011年3月17日発行
発行責任者:武田剛
編集スタッフ:梅原剛、清水真太郎、大森麻利子、村田博明
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