明誠グループニュースレター

情報フラッシュ [ 連載記事 ]
ActiveDataによる不正監査手続 第5回 年齢調べ表の作成
IFRS(国際財務報告基準)第31回 IFRS第3号「企業結合」
国際監査基準のクラリティ版について解説(第22回)「業務を委託している企業の監査上の考慮事項」について
[ トピック解説 ]
有価証券報告書の作成・提出に際しての留意事項(平成25年3月期版)と有価証券報告書レビューの実施について

情報フラッシュ

 
発表日時 表題
平成25年5月31日 日本公認会計士協会は「監査・保証実務委員会研究報告「訂正報告書に含まれる財務諸表等に対する監査上の留意事項について」(公開草案)」を公表しました。
平成25年5月31日 日本公認会計士協会は「経営研究調査会研究報告第32 号「企業価値評価ガイドライン」 の改正について」(公開草案)を公表しました。
平成25年5月21日 日本公認会計士協会はIT委員会実務指針「受託業務のセキュリティ・可用性・処理のインテグリティ・機密保持に係る 内部統制の保証報告書」(公開草案)を公表しました。
平成25年5月21日 日本公認会計士協会は「IT委員会報告第5号「ITに係る保証業務等の実務指針(一般指針)」の改正について」(公開草案) を公表しました。
平成25年5月20日 IASBはIFRIC解釈指針第21号「賦課金」を公表しました。
平成25年5月16日 IASBとFASBは「リース会計の変更」を提案しました。
平成25年5月15日 日本公認会計士協会は非営利法人委員会研究報告第24号「社会福祉法人の外部監査上の取扱い」を公表しました。

トピック解説

 
 

有価証券報告書の作成・提出に際しての留意事項(平成25年3月期版)と有価証券報告書レビューの実施について

平成25年3月29日、金融庁より「有価証券報告書の作成・提出に際しての留意事項(平成25年3月期版)と有価証券報告書レビューの実施について」が公表されました。

 

以下、主な内容をご紹介します。

1.有価証券報告書の作成・提出に際しての留意事項

(1)新たに適用となる開示制度・会計基準等

平成25年3月期から新たに適用となる開示制度・会計基準等はありません。ただし、平成24年5月17日に公表された「退職給付に関する会計基準」は、平成25年4月1日以後開始する事業年度の年度末の財務諸表からの適用(期首からの早期適用も可能)となりますので、「退職給付に関する会計基準」を適用する会社は、重要性の乏しいものを除き「未適用の会計基準等に関する注記」の記載が必要となります。

 

(2)最近の課徴金事案及び自主訂正事案を踏まえた留意事項

最近の課徴金事案及び自主訂正事案を踏まえ、内部統制の適切な整備・運用等により、不適切な会計処理の発生防止を呼びかけています。留意事項として、売上及び売上原価に関連する会計処理、貸倒引当金等の引当金の計上、連結子会社等における会計処理の3点が挙げられています。

イ.売上及び売上原価に関連する会計処理

最近では、実態のないコンサルティング契約に基づいた架空売上の計上や、取引先からのリベート、つまり仕入値引を過大に計上することによる売上原価の過少計上等により、利益操作を行う不適切な事例があり、これらは経理担当者のみの判断で、伝票等の証拠を偽装するなどして行われていました。

 

ロ.貸倒引当金等の引当金の計上

最近では、代表者の関係者に対する貸付金や、取引先への債権等で、本来貸倒引当金の計上が必要なものについて、貸倒引当金の計上漏れの事例があり、これらは代表者や担当取締役の不適切な関与や権限の集中によるものでした。

 

ハ.連結子会社等における会計処理

最近では、海外子会社において、赤字計上回避のための棚卸資産の過大計上や、回収不能な売上債権の取消と、架空売上の計上を同時に行うことにより支払期限を延長する等の不適切な事例があり、これらは海外子会社の財務情報のモニタリングの不備等によるものでした。

 

(3)有価証券報告書レビュー(平成24年3月期以降)を踏まえた留意事項

平成24年3月期以降の有価証券報告書を対象に実施されている有価証券報告書レビューの重点テーマ審査、及び情報等活用審査を踏まえ、以下の留意点が挙げられています。

 

1. 固定資産の減損損失

イ.減損損失認識要否の判定の際に見積もられる将来キャッシュ・フローは、企業に固有の事情を反映した合理的で説明可能な仮定及び予測に基づく必要がある点に留意が必要です。

ロ.減損を認識した資産についての内容や回収可能価額の算定方法等についての記載については、明瞭な注記に留意が必要です。

2. 企業結合等関係の注記

イ.取得原価の配分が完了していない場合、その旨及びその理由を記載する必要があります。暫定的な会計処理を行っている旨の記載はあるものの、配分が完了していない具体的な理由の記載がない事例が認められました。

ロ.企業結合が連結会計年度開始の日に完了したと仮定した場合の当連結会計年度の連結損益計算書に及ぼす影響の概算額及びその算定方法は、明瞭な記載が求められる点に留意する必要があります。これらについて、明瞭に記載していない事例が認められました。

3. 関連当事者との取引

関連当事者の範囲について正確に把握していない事例や、必要な事項の記載が漏れている事例が認められました。これら注記の作成の際には、明瞭かつ正確な記載に留意する必要があります。

4. 財務局等への回答に際しての留意点

財務局等から送付される質問の内容は、開示内容が単に法令や会計基準に形式的に準拠しているかという点のみならず、投資者にとって明瞭で、投資者保護に資するものであるかという点からも検討されます。従って、質問に対する回答内容が不明瞭な場合、それらが解決するまで追加の質問が行われます。回答を行う際には具体的な説明、及びそれらに必要な資料等を併せて準備しておくことが必要です。

2.有価証券報告書レビュー(平成25年3月期以降)の実施

平成25年3月期以降の有価証券報告書を対象に、以下の「法令改正関係審査」、「重点テーマ審査」及び「情報等活用審査」を中心とした有価証券報告書レビューが行われます。

 

(1)法令改正関係審査

有価証券報告書の記載事項のうち、平成24年3月30日に改正された「役員の状況」及び「コーポレート・ガバナンスの状況」における社外取締役及び社外監査役に関する記載内容について審査が行われます。

尚、当該改正の主な内容は以下の通りです。

イ.「役員の状況」において、役員が社外取締役又は社外監査役に該当する場合には、その旨を欄外に注記する。

ロ.「コーポレート・ガバナンスの状況」において、社外取締役又は社外監査役の提出会社からの独立性に関する基準又は方針の内容(ない場合はその旨)を記載する。

ハ.「コーポレート・ガバナンスの状況」において記載される、社外取締役及び社外監査役と提出会社との利害関係には、社外取締役又は社外監査役が他の会社等の役員若しくは使用人である、又はあった場合が含まれる。また当該記載は、金融商品取引所が開示を求める社外役員の独立性に関する事項を参考にすることができる。

 

(2) 重点テーマ審査

提出された有価証券報告書について、主に以下を重点テーマとして、提出者に対する質問・ヒアリングを含めた審査が行われます。

イ.企業結合及び事業分離等

ロ.固定資産の減損

ハ.連結財務諸表作成手続(子会社管理を含む)

ニ.金融商品に関する会計処理・開示

ホ.偶発債務(引当金の計上を含む)

 

(3)情報等活用審査

上記の重点テーマに該当しない場合であっても、適時開示や報道、提供された情報等を勘案し、所管の財務局等より、具体的な質問事項が送付されることがあります。

 
執筆者:廣川
 

連載記事

 
 

ActiveDataによる不正監査手続 第5回 年齢調べ表の作成

シリーズの5回目は、前回取り上げた滞留債権の分析の続きとして、年齢調べ表の作成をしてみたいと思います。

 

滞留債権一覧表には、わずか1日の入金遅れのものから、1年を超える長期の未回収債権もあるかもしれません。滞留債権の発生状況の把握や対処すべき債権の抽出などのためにも、債権がどの程度古いかを一覧にした年齢調べ表を作成することは有用です。

企業が売上債権の回収について個別消込を行っているのであれば、アイテム単位でいつ発生した債権が残っているのかが年齢調べ表で把握できます。しかし、個別消込をしておらず、過去に発生した債権に対して先入れ先出し方式で入金額を振り当てて年齢調べ表が作成されている場合、古い未回収のアイテムがあっても直前の売上が大きい場合には、1か月以内の滞留しか発生していないように表示されてしまいます。この場合には、未回収のアイテムが最近発生した売上債権に紛れてしまうことで、原因調査がされないまま期間が経過し、差異が累積することにより、実際には回収可能であった債権が回収できない事態になる可能性があります。

 

それでは、年齢調べ表をActiveDataで作成してみましょう。

@対象となる「未決済売上債権明細」シートを開きます。

A分析コマンドの中から「年齢調べ」を選択します。

B「年齢調べ」ダイアログボックスが開きますので、条件を次のように設定します。

(ア) 「分析対象列(日付)」で「売上計上日」を選択します。

(イ) 基準日に日付を入れます。期末時点の滞留債権の状況を調べたいのであれば、期末日を入力することになります。

(ウ)期間は、デフォルトで30日、60日、90日、120日、150日、180日が入力されていますが、適宜変更が可能です。

(エ)「集計列」で「金額」を指定します。

C「OK」をクリックすると「年齢調べ>未決済売上債権明細」シートが作成されます。

 

こうして作成された年齢調べ表は、滞留債権の調査の基礎資料となります。長期滞留債権については、その内容を詳細に吟味していく必要があります。

また、外部監査人にとっては、監査リスクが高い場合、必要に応じて対象会社から入手した基礎資料の正確性や網羅性の検証を行わなければならないことになっています。年齢調べ表についても、網羅性や正確性が疑われる場合は、監査人独自に作成し、会社が作成したものと突き合わせて検証する必要があります。そのため、年齢調べ表を独自に効率的に作成することは、必要なスキルであると言えるでしょう。

 
執筆者:武田剛
 

 

IFRS(国際財務報告基準)第31回 IFRS第3号「企業結合」

1.はじめに

今回は、IFRS第3号「企業結合」(以下、IFRS第3号という。)について紹介します。

2.目的

IFRS第3号の目的は、報告企業が企業結合及びその影響について財務諸表で提供する情報の目的適合性、信頼性及び比較可能性を改善することにあり、取得企業が以下のことをどのように行うべきかに関する原則及び要求事項を設けています。

【1】識別可能な取得した資産、引き受けた負債及び被取得企業の非支配持分を認識し、測定する。

【2】企業結合において取得したのれん、又は割安購入益を認識し、測定する。

【3】企業結合の性質及び財務上の影響を評価できるようにするための開示項目の決定。

3.取得法

企業は、取得法を適用して各企業結合を会計処理しなければなりません。取得法の適用にあたっては以下の事項が要求されます。

【1】取得企業の識別

【2】取得日の決定

【3】識別可能な取得した資産、引き受けた負債及び被取得企業の非支配持分の認識及び測定

【4】のれん又は割安購入益の認識及び測定

4.取得企業の識別

各企業結合に関して、結合企業のうち1社を取得企業として識別しなければなりません。取得企業の決定については、IFRS第10号「連結財務諸表」の指針を使用しなければなりませんが、それだけで取得企業が必ずしも明らかでない場合、企業規模や現金・その他の資産による支払いや負債の発生及び結合後企業の経営陣の構成等の視点から総合的に検討することになります。

5.取得日の決定

取得企業は取得日を識別しなければなりません。取得日は、取得企業が被取得企業に対する支配を獲得した日、一般的に取得企業が法的に対価を移転し、被取得企業の資産を取得し負債を引き受けた日、すなわち実行日をいいます。

6.識別可能な取得した資産、引き受けた負債及び被取得企業の非支配持分の認識及び測定

取得企業は、取得日時点において、識別可能な取得した資産、引き受けた負債及び被取得企業のすべての非支配持分を認識しなければなりません。

【1】取得した識別可能な資産・負債の認識と測定

取得した識別可能な資産・負債の認識と分類は、取得日時点で「財務諸表の作成および取得に関するフレームワーク」における資産・負債の定義及び他のIFRSにおいて定める資産・負債の分類の要件に基づきます。なお、「識別可能」とは、企業から分離可能であるか、または契約又はその他の法的権利に基づくものであることをいい、IAS第38号「無形資産」における定義と同一です。また、取得した資産及び負債を、取得日時点の公正価値で測定しなければなりません。

【2】非支配持分の測定

取得企業は、企業結合ごとに、被取得企業に対する非支配持分は、次のいずれかによって測定されます。

(1)公正価値

(2)被取得企業の識別可能純資産のうち非支配持分の現在の比例持分

なお、非支配持分の他のすべての内訳項目は、取得日の公正価値で測定しなければなりません。

 

7.のれん又は割安購入益の認識及び測定

取得企業は、次の【1】が【2】を超過する額として測定した、取得日時点ののれんを認識しなければなりません。

【1】次の総計

(1)移転された対価

(2)被取得企業のすべての非支配持分の金額

(3)段階的に達成される企業取得の場合には、取得企業が以前に保有していた被取得企業の資本持分の取得日公正価値

【2】取得した識別可能な資産及び引き受けた負債の取得日における正味の金額

なお、認識されたのれんは償却を行わず、IAS第36号「資産の減損」に従って減損テストが行われます。

また、のれんとは反対に【2】が【1】を超過する場合には、取得企業は、取得したすべての資産及び引き受けたすべての負債を正しく識別しているかどうか再検討し、その後【1】及び【2】の各要素の測定手続を査閲します。この手続きを行った後も【2】が【1】を超過する場合には、割安購入益として取得日において純損益に認識しなければなりません。

8.測定期間

企業結合が生じた期間の末日までに企業結合の当初の会計処理が完了していない場合には、会計処理が完了していない項目の暫定的な金額を財務諸表上で報告しなければなりません。このような処理を行った場合で、翌期に必要な情報を入手できた場合には暫定的な金額を遡及修正しなければなりません。

なお、期末時時点に存在していた事実及び状況について求めていた情報を受領するか、追加的な情報を入手することができないことを確認した時点で測定期間は終了しますが、測定期間は取得日から1年を超えてはなりません。

9.開示

取得企業は、財務諸表の利用者が、企業結合の性質及び財務上の影響を評価できるようにする情報を開示しなければならず、IFRS第3号において、例えば以下のような項目を要求しています。

【1】当報告期間中及び報告期間の末日後、財務諸表の発行承認日までの企業結合

(1)被取得企業の名称と説明

(2)取得日

(3)取得した持分比率

(4)取得の目的及び取得の方法

(5)のれんを生じさせた要因に関する質的な説明

【2】当期又は前期に生じた企業結合について当期中に行った修正の財務上の影響に関する情報

(1)取得の処理が完了していないため、暫定的な処理を行った場合には、完了していない理由や対象となった項目及び測定期間内の修正の内容と金額

(2)当報告期間の期末時点におけるのれんの総額及び減損損失累計額

 

【参考文献】

1.IFRS第3号

2.IFRS会計学基本テキスト 中央経済社

3.国際財務報告基準の適用ガイドブック 中央経済社

 
執筆者:関和輝
 

 

国際監査基準のクラリティ版について解説(第22回)
「業務を委託している企業の監査上の考慮事項」について

1.基準の概要

今回は、監査基準委員会報告書402「業務を委託している企業の監査上の考慮事項」について解説します。これはISA402に対応しており、2013年3月決算に係る監査から適用されています。

2.「業務を委託している企業の監査上の考慮事項」

本基準は、委託会社が受託会社の提供する業務を利用する場合の、委託会社監査人による十分かつ適切な監査証拠の入手に関する実務上の指針を提供しています。

企業は、その事業活動の一部を外部に委託することがありますが、特定の業務を実施させることもあれば、企業の特定の部署又は機能のすべてを代行させることもあります。

受託会社の提供する業務とその内部統制が委託会社の財務報告に関係する業務プロセスの一部となっている場合には、当該業務は、委託会社の財務諸表監査に関連することになります。

 

(1) 受託会社が提供する業務の理解

委託会社監査人は委託会社を理解する場合には、以下を含めて、委託会社が受託会社の業務をどのように利用しているかを理解しなければなりません。

(a) 受託会社が提供する業務の内容と委託会社にとっての当該業務の重要性

(b) 受託会社が処理する取引、又は影響を与える勘定や財務報告プロセスの内容と重要性

(c) 受託会社の活動と委託会社の活動との相互関連の度合い

(d) 委託会社と受託会社の関係

 

(2) 受託会社が提供する業務の内部統制の理解

監査人が委託会社に関連する内部統制を理解する場合には、受託会社が提供している業務に対する委託会社の内部統制を評価しなければなりません。

委託会社監査人は、受託会社が提供する業務に関する十分な理解を得られなかった場合には、以下の手続を実施して理解を得ることになります。

(a) タイプ1又はタイプ2の報告書を入手する(利用可能な場合)

(b) 委託会社を通じて受託会社から情報を入手する

(c) 受託会社を往査し必要な情報を入手する手続を実施する

(d) 他の監査人を利用して必要な情報を入手する

 

(3) タイプ1又はタイプ2の報告書の利用

タイプ1の報告書とは受託会社の内部統制の整備状況に関する報告書のことをいい、タイプ2の報告書とは受託会社の内部統制の整備状況及び運用状況の有効性に関する報告書のことをいいます。委託会社監査人がこれらの報告書を利用するためには、一定の手続により、その報告書が提供する証拠の十分性と適切性の評価をしなければなりません。

 

(4) 評価した重要な虚偽表示のリスクへの対応

委託会社監査人は、上記による委託会社の理解通じて評価した虚偽表示リスクへの対応をするために、以下の手続を実施します。

(a) 関連する財務諸表のアサーションに関する十分かつ適切な監査証拠は、委託会社が保有する記録から入手可能かどうか判断する

(b) その入手が不可能な場合、十分かつ適切な監査証拠を入手するためのリスク対応手続を受託会社において実施する。又は、委託会社監査人のために受託会社で当該手続を実施する他の監査人を利用する

 

(5) 内部統制の運用状況の有効性についての監査証拠の入手

委託会社監査人がリスク評価において受託会社の内部統制が有効に運用されていることを想定している場合には、委託会社監査人は以下の手続を実施することにより、内部統制の運用状況の有効性について監査証拠を入手しなければなりません。

(a) タイプ2の報告書を入手する(利用可能な場合)

(b) 受託会社で適切な運用評価手続を実施する

(c) 委託会社監査人のために、受託会社で運用評価手続を実施する他の監査人を利用する

 

(6) 運用状況に関する監査証拠としてのタイプ2の報告書の利用

委託会社監査人は、監査証拠としてタイプ2の報告書の利用を計画する場合、一定の手続を実施して、委託会社監査人のリスク評価を裏付ける内部統制の有効性について、受託会社監査人の報告書が十分かつ適切な監査証拠を提供するかどうかを判断しなければなりません。

 

(7) 受託会社の活動に関連した不正、違法行為等

委託会社監査人は、受託会社における不正、違法行為等があった場合には、委託会社の財務諸表に影響を与えるものについて、受託会社から報告があったかどうか、又は委託会社が気づいているそれらの事項があるかどうかを委託会社の経営者に質問し、委託会社監査人のリスク対応手続の種類、時期及び範囲に与える影響を評価します。

 

(8) 委託会社監査人の監査報告書

委託会社監査人は、委託会社の財務諸表監査に関連する受託会社が提供する業務に関して、十分かつ適切な監査証拠を入手できなかった場合には、委託会社監査人の監査報告書において除外事項付意見を表明します。

委託会社監査人は、無限定意見を表明できない場合で、限定意見、否定的意見又は意見不表明の理由として受託会社監査人の業務に言及する場合には、監査報告書において当該記載が委託会社監査人の責任を軽減しないことを示さなければなりません。

また、無限定意見を表明する場合は、監査人は表明した監査意見について単独で責任を負うため、委託会社監査人の監査報告書において受託会社監査人の業務を利用したことを記載することはできません。

 
執筆者:吉田隆伸
 


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  明誠ニュースレター vol.32
2013年6月7日発行
発行責任者:武田剛 プロダクトマネジャー:村田博明
制作:株式会社ゼラス 佐々木景子
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