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発表日時 表題
平成27年1月22日 日本公認会計士協会は「業種別委員会実務指針「全銀協TIBOR行動規範の遵守態勢に対する保証業務に関する実務指針」(公開草案)」ついて公表しました。
平成27年1月19日 日本公認会計士協会は「「職業倫理に関する解釈指針」の改正について」(公開草案)を公表しました。
平成27年1月16日 企業会計基準委員会は改正実務対応報告第5号
「連結納税制度を適用する場合の税効果会計に関する当面の取扱い(その1)」及び
改正実務対応報告第7号
「連結納税制度を適用する場合の税効果会計に関する当面の取扱い(その2)」の公表)を公表しました。
平成27年1月16日 日本公認会計士協会は「業種別委員会実務指針第38号「投資事業有限責任組合における会計処理及び監査上の取扱い」の改正について」(公開草案)を公表しました。
平成27年1月14日 中小企業の会計に関する指針作成検討委員会は「中小企業の会計に関する指針」の改正に関する公開草案を公表しました。

トピック解説

 
 

コーポレートガバナンス・コードの基本的な考え方(案)「コーポレートガバナンス・コード原案」公表について

1.はじめに

2014年12月12日に、東京証券取引所と金融庁は、「『日本再興戦略』 改訂2014」に基づき、我が国の成長戦略の一環として、コーポレートガバナンス・コードの策定に関する有識者会議を開催し、コーポレートガバナンス・コードの基本的な考え方(案)「コーポレートガバナンス・コード原案~会社の持続的な成長と中長期的な企業価値の向上のために~」(以下、「コード(案)」)を公表しました。2015年秋頃までを目途に基本的な考え方を取りまとめ、東京証券取引所において必要な制度整備を行ったうえで、本則市場(市場第一部・第二部)上場企業を対象として2015年6月1日からの適用を予定しています。

本記事では、コード(案)の目的からその概要について紹介していきます。

2.コード(案)の目的

「コーポレートガバナンス」とは、会社が、株主をはじめ顧客・従業員・地域社会等の立場を踏まえた上で、透明・公正かつ迅速・果断な意思決定を行うための仕組みのことをいいます。

会社は、株主から経営を付託された者としての責任(受託者責任)をはじめ、様々なステークホルダーに対する責務を負っていることを認識し運営されることが重要です。こうした責務に関する説明責任を果たすことを含め会社の意思決定の透明性・公正性を担保しつつ、会社の迅速・果断な意思決定を促すことを通じて、実効的なコーポレートガバナンスの実現に資することを目的としています。

3.概要

[1]「プリンシプルベース・アプローチ」及び「コンプライ・オア・エクスプレイン」の採用

コード(案)は、法令等とは異なるものであるため、会社が取るべき行動について詳細に規定するルールベースではなく、実効的なコーポレートガバナンスの実現することができるよう「プリンシルベース・アプローチ」(原則主義)を採用しています。

また、企業側に原則を実施するか、実施しない場合にはその理由を説明する「コンプライ・オア・エクスプレイン」の手法を採用し、一部の原則を実施しないことも想定しています。よって、実効的なコーポレートガバナンスを実現することができるよう、それぞれの会社が自らの置かれた状況に応じて工夫して適用することを求めています。

なお、我が国の上場会社の多くは監査役会設置会社であることを踏まえ、コード(案)は監査役会設置会社を想定して作成されています。

 

[2]構成

コード(案)は、5つの基本原則、30の各基本原則に付随する原則、38の原則を補足する補充原則から成り立っており、基本原則・原則・補充原則がコンプライ・オア・エクスプレインの対象となる予定です。以下では、基本原則を中心に紹介していきます。

(1)株主の権利・平等性の確保

上場会社には様々なステークホルダーが存在しており、彼らとの適切な協働を欠いては、持続的な成長を実現することは困難になります。その際、株主はコーポレートガバナンスの規律における主要な存在であるため、株主が有する権利を実質的に確保されるよう、その円滑な行使に配慮すること、また株式会社は、自らの株主を、その有する株式の内容及び数に応じて平等に取り扱う会社法上の義務を負っているため、この点を実質的に確保することを上場会社に求めています。

(2)株主以外のステークホルダーとの適切な協働

上場会社に、会社の成長や企業価値の創出は、様々なステークホルダーによるリソースの提供や貢献の結果であることを十分に認識し、これらのステークホルダーとの適切な協働に努めることを求めています。また女性の活用を含む社内の多様性の確保や、近時のグローバルな社会・環境問題等に対する関心の高まりから、社会・環境問題をはじめとするサステナビリティー(持続可能性)を巡る課題についての適切な対応も求めています。

(3)適切な情報開示と透明性の確保

上場会社に、財務情報や、経営戦略・経営課題、リスクやガバナンスに係る情報等の非財務情報について、法令に基づく開示を適切に行うとともに、法令に基づく開示以外の情報提供にも主体的に取り組むことを求めています。その際、取締役会には、情報の利用者にとって有益な記載となるよう積極的に関与していくが求められます。

(4)取締役会等の責務

上場会社の取締役会に、株主に対する受託者責任・説明責任を踏まえ、

1)企業戦略等の大きな方向性を示すこと

2)経営陣幹部による適切なリスクテイクを支える環境整備を行うこと

3)独立した客観的な立場から、経営陣(執行役及びいわゆる執行役員を含む)・取締役に対する実効性の高い監督を行うこと

をはじめとする役割・責務を適切に果たすことを求めています。

なお、(4)には14の原則があり、独立社外取締役を少なくとも2名以上選任(原則4-8参照)、取締役会の実効性に関する分析・評価(原則4-11参照)等、これから会社が原則を実施するか、しないのかの検討を開始しなければならない項目もあり、2015年6月を待たずに今すぐ対応を検討しなければいけない項目も多く含まれています。

(5)株主との対話

上場会社に、その持続的な成長と中長期的な企業価値の向上に資するため、株主総会の場以外においても、株主との間で建設的な対話を行うことを求めています。

「『責任ある機関投資家』の諸原則《日本版スチュワードシップ・コード》」の策定を受け、機関投資家には、投資先企業やその事業環境等に関する深い理解に基づく建設的な「目的を持った対話」(エンゲージメント)を行うことが求められ、これにより経営陣幹部は、株主の目線からの経営分析や意見を吸収し、持続的な成長に向けた健全な企業家精神を喚起する機会が得られることになります。

 
参考文献

コーポレートガバナンス・コードの基本的な考え方(案)「コーポレートガバナンス・コード原案~会社の持続的な成長と中長期的な企業価値の向上のために~」

 
執筆者:中澤 泰明
 

 

シリーズ国際課税 BEPSプロジェクト(後編)

1.最初に

今回は前回の続きで、OECD(経済協力開発機構)による、BEPS(Base Erosion and Profit Shifting、税源浸食と利益移転)プロジェクトの中から、2014年に公表された第1回報告書(以下、「本報告書」といいます。)の内容を紹介したいと思います。

BEPSプロジェクトでは、2013年に策定された「BEPS行動計画」に基づき、本報告書が公表されました。

2.2014年報告書の内容

本報告書では、「BEPS行動計画」において示された15の行動のうち、以下の行動についての報告がなされています。

・行動1 電子経済

・行動2 ハイブリッド・ミスマッチ

・行動5 有害税制

・行動6 租税条約濫用の防止

・行動8 移転価格税制(無形資産)

・行動13 移転価格関連の文書化

・行動15 多国間協定の可能性

 

(1) 行動1 電子経済(電子商取引)について

本報告書によれば、電子経済はそれだけでBEPS問題を生じさせるわけではないものの、移動性やデータへの依存といった電子経済の特徴がBEPSリスクを悪化させているとしています。特に電子経済のもたらす課題としては、物理的拠点を有しない電子経済において恒久的施設(PE)をどのように定義するか、国境を超える電子商取引における付加価値税の徴収をどのように確保するかなどが挙げられています。

そして本報告書では、PEについては行動7「PE認定の回避」において検討すること、付加価値税の徴収については2015年末まで検討するとされており、将来は電子経済に対する課税を経済活動に適合したものにすることを目指しています。

 

(2) 行動2  ハイブリッド・ミスマッチ

ハイブリッド・ミスマッチとは、金融商品や事業体に対する複数国間における税務上の取扱いの差異のことをいいます。例えば、一定の優先株式等について配当を支払った場合に、配当支払国では当該配当が税務上損金とされ、配当受取国では当該配当が税務上益金に算入されない場合、当該配当はどちらの国でも課税されなくなってしまいます。このような、ハイブリッド金融商品(負債と資本の両方の性格を有する金融商品等)を利用した税負担の軽減が問題視されています。

本報告書ではこれに対応するため、税制上の効果を相手国の税制上の取扱いに合わせて調整するためのルールなどの提示を行っており、今後はルールの実施に向けた検討を行っていくとされています。

 

(3) 行動5 有害税制への対応

有害税制については、OECDが加盟国に対し有害税制の審査を行っていますが、本報告書では、知的財産優遇税制に関して新たな審査基準を提示するなどして、審査基準を強化・拡張すべく検討することとしています。また、OECDの非加盟国の関与をさせるべく、OECD非加盟国を含め、30の税制の有害性審査状況を公表しています。今後もさらに有害税制の審査を進めるとともに、審査基準の合意についての議論を進めるとしています。

 

(4) 行動6 条約の濫用防止

条約締結国の居住者でない者が、条約締結国の居住者に対する特典を不当に得ようとする「条約漁り」による条約の濫用は、BEPSの大きな原因の一つとなっています。

そこで本報告書では、租税条約に「特典制限規定」と、より包括的な「主要目的テスト」の組み合わせ等による濫用防止規定を盛り込むことを勧告しています。

  • 特典制限規定… 租税条約の特典付与を第三国居住者に支配されていないと考えられる者に限定すること
  • 主要目的テスト… 租税条約の特典を享受することを取引の主たる目的の一つとする場合には特典を与えないこと

今後は、関連するモデル条約の精査や、租税条約の濫用防止のために最低限必要な措置の実施についてさらに検討を継続するとしています。

 

(5) 行動8 無形資産に係る移転価格ルールの策定

無形資産を軽課税国の子会社等に移転することでロイヤルティに対する課税を回避している多国籍企業があることから、これを防止するルールの策定が求められています。そこでBEPS行動計画では、無形資産の定義や独立企業間価格の算出法等について、「移転価格ガイドライン」の規定の明確化を検討するとしています。

本報告書では、無形資産の定義を新たに設けるとともに、地域市場の特徴等について移転価格ガイドラインの記述を追加する等しています。また、価格付けが困難な無形資産の評価額算出方法などの論点については議論を継続するとしています。

 

(6) 行動13  移転価格関連の文書化の再検討

多国籍企業グループに対する適正な移転価格課税のためには、グループ内取引の全体像を把握することが有用となります。そこで本報告書では、一定の様式に従って、移転価格リスク評価のための情報の税務当局への提出を義務付けることを勧告しています。この情報には、例えば以下のような内容が含まれます。

  • 各国で事業を営む全ての事業体の一覧や事業内容
  • 各国での収入、税引前利益、法人税の支払額と発生額
  • 各国における総雇用者数、有形固定資産など

今後は、この情報の提供方法や機密性、時宜性等について引き続き議論を行うとしています。

 

(7) 行動15  多国間協定の開発

BEPS行動計画を通じて策定される各種勧告の実施のためには、各国による二国間条約改正が必要となるため、この二国間の租税条約を改正するための多国間の協定の開発について分析が行われています。今後も引き続き、BEPSプロジェクトにおいて、多国間協定の交渉のための国際会議の設置等について検討するとしています。

3. 今後の予定

今後の予定としては、2015年9月に第2回目の報告書が提出される予定となっています。OECDはすでに報告書作成の作業を始めており、各国がBEPSに対する具体的な方策を早急に開発することとしています。ただ、新興国としては、税制優遇措置をもって企業の誘致を図りたいという思惑があることもあります。OECDは開発途上国にとっての優先事項などを考慮することとしていますが、議論が難航することも予想されます。しかし、BEPSプロジェクトが一定の成果を上げる場合には、その影響力が大きいことからも、その動向には注目していくことが必要です。

 

参考文献

経済協力開発機構、税源浸食と利益移転(BEPS)行動計画、2013年

経済協力開発機構、BEPSプロジェクトの現状 2014年報告書等、2014年

経済協力開発機構、税源浸食と利益移転(BEPS)プロジェクト よくある質問とその答え(抄、仮訳)、2014年

 
執筆者:公認会計士・社会保険労務士 吉田 隆伸
 

連載記事

 
 

ActiveDataによる不正監査手続はお休みさせて戴きます。

 

 

シリーズIFRS(国際財務報告基準)第50回 IFRS第15号「顧客との取引から生じる収益」(後編)

1.はじめに

今回は、前回に引き続き、IFRS第15号「顧客との取引から生じる収益」(以下、IFRS第15号という。)の契約コスト・表示及び開示について紹介します。

2.契約コスト

【1】契約獲得のための増分コスト

契約獲得のための増分コストとは、顧客との契約を獲得していなければ発生しなかったであろうコストを言い、例えば、契約成約に伴い企業が代理店に支払う販売手数料などがあります。

増分コストが回収可能と見込まれる場合には、そのコストを資産として認識しなければなりません。ただし、実務上の簡便法として、認識した資産の償却期間が1年以内の場合は、発生時に費用として計上することも認められています。

【2】契約履行コスト

契約を履行するために発生したコストが他の基準(例えば、IAS第2号「棚卸資産」、IAS第16号「有形固定資産」、IAS第38号「無形資産」)の適用範囲に含まれない場合で、以下の要件のすべてを満たす場合に、当該コストを資産として認識します。

(1)契約又は予想される契約に直接関連している。

(2)将来において履行義務の充足に使用される企業の資源を創出するか、増価する。

(3)回収が見込まれている。

【3】契約コストの償却及び減損

資産として計上した契約コストは、関連する財又はサービスの顧客への移転パターンに合う方法で規則的に償却を行います。移転時期に重要な変化がある場合には、契約コストの償却方法についても見直す必要があります。また、契約コストの額が回収可能でない場合には、減損テストを行い、以下の(1)が(2)を上回る場合に、その超過額を減損損失として計上しなければなりません。

(1)資産計上した契約コストの帳簿価額

(2)資産計上した契約コストが関連する財又はサービスと交換に得ると見込んでいる対価の残額から、当該財又はサービスの提供に直接関連するコストのうち、費用として認識されていないものを控除した額

3.表示及び開示

 【1】表示

企業が財又はサービスを顧客に移転する前に、顧客が対価を支払うか又は企業が対価を受け取る無条件の権利(例えば受取債権)を有する場合は、顧客が支払うか又は支払期日が到来した時点のうちいずれか早い時点で、契約負債を認識します。

反対に、顧客が対価を支払う又は支払期日が到来する前に、企業が財又はサービスを顧客に移転した場合は、契約資産又は受取債権を認識します。

ここで、契約資産とは、企業が顧客に移転した財又はサービスと交換に受け取る対価に対する企業の権利をいい、契約負債とは、顧客に財又はサービスを移転する企業の義務で、企業が顧客から対価を受け取っているもの又は対価の金額の期限が到来するものをいいます。契約資産及び契約負債は、財政状態計算書上、他の名称を用いることも認められています。

【2】開示

IFRS第15号は、顧客との契約から生じる収益及びキャッシュ・フローの性質、金額、時期及び不確実性を利用者が理解できるようにすることを開示の目的としており、これを達成するために、以下の定性的及び定量的情報を開示する必要があります。

(1)顧客との契約

(a)収益の分解(収益及びキャッシュ・フローの性質、金額、時期及び不確実性が経済的要因にどのように影響されるかを描写するカテゴリーに分解する)

(b)受取債権、契約資産及び契約負債の残高と変動に関する情報

(c)履行義務に関する情報

(d)残存する履行義務に配分された取引価格の金額

(2)重大な判断及び当該判断の変更(履行義務の充足時期の決定及び取引価格と履行義務に配分された金額の決定に関する情報)

(3)資産計上した契約コストに関する情報

 
参考文献

IFRS第15号「顧客との取引から生じる収益」

詳細解説 IFRS実務適用ガイドブック 中央経済社 あずさ監査法人

 
執筆者:公認会計士 関 和輝
 

 

中小企業お役立ち情報_17 「起業・ベンチャー支援情報」

1.はじめに

今回は、起業・ベンチャー支援情報として、下記の制度について紹介します。

①産業競争力強化法に基づく創業支援

②創業補助金(創業促進補助金)

③各種融資

④起業支援ファンド・中小企業成長支援ファンド

2.産業競争力強化法に基づく創業支援

(1)対象となる方

産業競争力強化法に基づく特定創業支援事業を受けた創業者

特定創業支援事業とは、市区町村又は創業支援事業者が創業希望者等に行う、継続的な支援で、経営、財務、人材育成、販路開拓の知識が身につく事業を言います。

(2)支援内容

登録免許税の軽減

特定創業支援事業の支援を受けて創業を行おうとする者が、株式会社を設立する際、登記にかかる登録免許税が軽減(資本金の0.7%→0.35%)されます。最低税額の場合は、15万円が7.5万円に軽減されます。

②創業関連保証の特例

無担保、第三者保証人なしの創業関連保証の枠が、1,000万円から1,500万円に拡充されます。また、事業開始6か月前(従来は創業2か月前)から利用の対象になります。

3.創業補助金(創業促進補助金)

下記は、平成26年に公募された創業補助金の概要です。平成27年度の本制度については、まだ決定されていませんが、中小企業庁のホームページに進行状況等がアップされますのでチェックされることをお勧めします。

(1)対象となる方

これから創業するものであって、個人開業又は会社・企業組合・協業組合・特定非営利活動法人の設立を行うもの及び既に事業を営んでいる中小企業者か個人事業主又は会社・特定非営利活動法人において後継者が先代から事業を引き継いだ場合などに業態転換や新事業・新分野に進出するもので下記の要件①②を満たすもの

①事業の独創性・事業の実現可能性や収益性、継続性及び資金調達が見込めるもの

②認定支援機関による事業計画の策定から事業実施期間中の支援、事業終了後のフォローアップが十分期待できること

(2)支援内容

補助率:補助対象経費の2/3以内

補助金額:100万円以上~200万円以内

対象経費:(Ⅰ)人件費(Ⅱ)事業費:起業・創業に必要な官公庁への申請書類作成等にかかる経費、店舗等借入費、設備費、原材料費等(Ⅲ)委託費(Ⅳ)その他

4.各種融資

・新創業融資制度

「新創業融資制度」は、新規開業支援資金、女性・若者/シニア起業家支援資金、再チャレンジ支援融資等の各融資制度を利用する場合に利用できる無担保・無保証人の特例措置です。

(1)対象となる方

雇用の創出を行う事業や勤務経験がある事業を始めるなど、一定の要件に該当する方又はそれらの事業を開始して税務申告を2期終えていない方

(2)支援内容

事業計画等の審査を通じ、無担保無保証(法人の場合は代表者の保証も不要)で融資を受けることができます。

貸付限度額:

3,000万円(運転資金は1,500万円)

資金使途: 設備資金及び運転資金
貸付利率 各融資制度の貸付利子+0.85%
貸付期間: 設備資金15年以内、運転資金7年以内

 

・中小企業経営力強化資金

(1)対象となる方

経営革新又は異分野の中小企業と連携した新事業分野の開拓等により市場の創出・開拓(新規事業を行う場合を含む。)を行おうとする方で、認定支援経営革新等支援機関の指導及び助言を受けている方

(2)支援内容

貸付限度額:

中小企業事業7億2,000万円(内運転資金2億5,000万円)

国民生活事業7,200万円(運転資金は4,800万円)

資金使途: 設備資金及び運転資金
貸付期間: 設備資金15年以内、運転資金7年以内

 

・新規開業支援資金

(1)対象となる方

現在お勤めの企業と同じ業態の事業や雇用の創出を伴う事業を新たに始める方又はその事業を開始後おおむね7年以内の方

(2)支援内容

貸付限度額:

7,200万円(運転資金は4,800万円)

資金使途: 設備資金及び運転資金
貸付期間: 設備資金20年以内、運転資金7年以内

 

・新事業育成資金

(1)対象となる方

高い成長性が見込まれる新たな事業を行う方であって、次の①~③のすべてに当てはまる方

①新たな事業を事業化させておおむね7年以内の方

②公庫の成長新事業育成審査会から事業の新規性・成長性について認定を受けた方

③公庫が継続的に経営課題に対する経営指導を行うことにより、円滑な事業の遂行が可能と認められる方

(2)支援内容

貸付限度額:

6億円

資金使途: 設備資金及び長期運転資金
貸付期間: 設備資金15年以内、運転資金7年以内

 

・再チャレンジ支援融資

(1)対象となる方

新たに事業を始める方または事業開始後7年以内の方で、次のすべての要件に該当する方

①廃業歴等がある方

②廃業時の負債が新たな事業に影響を与えない程度に整理される見込みがある方

③廃業の理由・事情がやむを得ないものである方

(2)支援内容

貸付限度額:

中小企業事業 7億2,000万円(運転資金は2億5,000万円)

国民生活事業 7,200万円(運転資金は4,800万円)

資金使途: 設備資金及び運転資金
貸付期間: 設備資金20年以内、運転資金7年以内

 

・女性、若者/シニア起業家支援資金

(1)対象となる方

新たに事業を始めるまたは事業開始後おおむね7年以内の女性又は若者(30歳未満)、高齢者(55歳以上)

(2)支援内容

貸付限度額:

中小企業事業 7億2,000万円(運転資金は2億5,000万円)

国民生活事業 7,200万円(運転資金は4,800万円)

資金使途: 設備資金及び運転資金
貸付期間: 設備資金20年以内、運転資金7年以内

5.起業支援ファンド・中小企業成長支援ファンド

(1)対象となる方

創業支援ファンド 創業又は成長初期の段階にある中小企業

中小企業成長支援ファンド 新事業展開、事業再編等により新たな成長・発展を目指す中小企業

(2)支援内容

民間の投資会社(ベンチャーキャピタル等)が運営するファンドに対して、中小企業基盤整備機構が出資(ファンド総額の1/2以内)を行うことで、ファンドの組成を促進し、中小企業の投資機会の拡大を図っています。

6.おわりに

上記で紹介した制度の他にも、創業・ベンチャー支援の施策として「創業スクール」、「創業関連保証・創業等関連保証」、「エンジェル税制」、「多様な事業体の活用」、「マッチングの場の提供」、「ベンチャーアワード」があります。下記の中小企業庁ホームページ及びガイドブックに、各種施策の詳細が公開されていますので、ご参照ください。

 

参考文献

中小企業庁ホームページ
http://www.chusho.meti.go.jp/index.html

中小企業施策利用ガイドブック
http://www.chusho.meti.go.jp/pamflet/g_book/h26/140401gbookall.pdf
平成26年度起業・ベンチャーを支援します
http://www.chusho.meti.go.jp/pamflet/leaflet/l-2014/07kigyouall.pdf

 
執筆者:公認会計士 中戸 大介
 


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  明誠ニュースレター vol.52
2015年2月18日発行
発行責任者:武田剛
制作:株式会社ゼラス 佐々木景子
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