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発表日時 表題
平成27年6月30日 企業会計基準委員会は「修正国際基準(国際会計基準と企業会計基準委員会による修正会計基準によって構成される会計基準)」について公表しました。
平成27年6月18日 金融庁から「有価証券の取引等の規制に関する内閣府令の一部を改正する内閣府令(案)」及び「金融商品取引法等に関する留意事項について」(金融商品取引法等ガイドライン)の一部改正(案)について公表しました。
平成27年6月3日 経済産業省は平成27年度版「特別試験研究費税額控除制度ガイドライン」の策定について公表しました。
平成27年6月2日 日本公認会計士協会は「監査契約書及び監査約款」の各種様式の更新について公表しました。
平成27年5月29日 日本公認会計士協会は監査基準委員会研究報告第4号「監査品質の枠組み」について公表しました。
平成27年5月29日 日本公認会計士協会は監査基準委員会研究報告第1号「監査ツール」の改正について公表しました。
平成27年5月29日 日本公認会計士協会は監査基準委員会報告書260「監査役等とのコミュニケーション」の改正並びに当該改正に関連する品質管理基準委員会報告書及び監査基準委員会報告書の一部改正について公表しました。
平成27年5月28日 日本公認会計士協会は「税効果会計に関するQ&A」の改正について公表しました。
平成27年5月26日 企業会計基準委員会は企業会計基準適用指針公開草案第54号「繰延税金資産の回収可能性に関する適用指針(案)」について公表しました。
平成27年5月13日 東京証券取引所はコーポレートガバナンス・コードについて公表しました。
平成27年5月1日 日本公認会計士協会は業種別委員会報告第27号「建設業における工事進行基準の適用に係る監査上の留意事項」の廃止、及び監査・保証実務委員会実務指針第91号「工事進行基準等の適用に関する監査上の取扱い」について公表しました。

トピック解説

 
 

最高裁判所判決 - 馬券の払戻金に係る課税について

1.最初に

平成27年3月に、競馬の馬券の払戻金に係る所得税の課税について、最高裁の判決がありました。これは、馬券の購入を継続して大量に行っていた場合に、外れ馬券の購入費用を所得税の計算上、所得の計算から差し引けるかどうかが焦点となったものです。馬券の払戻金は所得税法上は一時所得にあたると解釈され、外れ馬券の購入費用は所得から差し引けないこととされていました。

この案件では、馬券の払戻金を受け取った男性は、年間10億円前後の馬券を数年にわたり購入し続けていました。その意味では、今回の裁判は特殊なケースであるため、競馬を娯楽として楽しむ多くの方々にはあまり関係のない判決かもしれません。しかし、所得税法の考え方が垣間見える興味深い判決でもありますので、この判決の概要について解説したいと思います。

2.馬券の払戻金に対する課税の概要

この案件は、大阪府の会社員の男性が、日本中央競馬会が提供するWebサイトを通じて、2005年~2009年の間にパソコンを使って自動的に大量の馬券を購入していたというものです。男性はこの間に約35億1千万円の馬券を購入し、約36億6千万円の払戻金を得ていました。この男性は所得税の申告を行っていませんでしたが、この払戻金に対し大阪国税局は、所得税・無申告加算税を合わせて約8億2千万円の課税を行いました。差引きで約1億5千万円の利益(もうけ)に対し、それを大幅に超える課税をされたことになります。なぜ、このような課税をされてしまったのかは、所得税における「所得」の考え方によります。

法人税では法人が稼得した利益に対し、一律に23.9%(2015年)の税率が課税されます。これに対し所得税では、個人が稼得した所得を、給与所得や不動産所得など10種類に分類し、それぞれの所得の種類に応じた課税計算を行っていきます。所得を分類するのは、発生した所得に応じた課税を行い、より公平な課税を実現させる目的があります。そのため、所得をどの種類に分類するかによって、所得税の額が大幅に異なる場合があります。

今回の馬券のケースでは、課税当局は馬券の払戻金を一時所得と認定しましたが、男性は雑所得であると主張しました。

 

表1:一時所得と雑所得

 

一時所得

定義 営利を目的とする継続的行為から生じた所得以外の一時の所得
具体例 懸賞の賞金品、福引の当選金品、競馬の馬券の払戻金、遺失物拾得者が受ける報労金など
雑所得
定義 給与所得や一時所得など、他の9種類の所得のいずれにも該当しないもの
具体例 国民年金、原稿料(作家以外)、友人に対する動産(車など)の貸付けの対価など

 

競馬の馬券の払戻金については、上の表のとおり、一時所得に該当するとされています(所得税法基本通達)。そして、一時所得を計算する際には、「収入を得るために支出した金額」を、必要経費として所得から控除することができます。ただし、馬券の払戻金の場合の「収入を得るために支出した金額」は、当たり馬券のみを購入するために支出した金額を意味します。外れ券の購入も当たり馬券のための布石にはちがいないのですが、所得税法上では、必要経費には含められません。

さらに、年間通算でマイナス収支だったとしても、もうかった分のみ申告しなくてはいけません。例えば、3レースに1万円ずつ馬券を購入し、1レースのみが的中したとしても、控除できる金額は1万円のみです。ただし、一時所得には特別控除額の50万円が設定されているので、年間50万円以上儲けた人以外は税金の心配をする必要はありません。

なお、所得が「雑所得」に該当する場合には、雑所得から「必要経費」を控除できます。そのため、当たり馬券の購入代金だけではなく、外れ馬券を含む全ての馬券の購入代金が必要経費となることになります。そのため、所得が一時所得に該当するか雑所得に該当するかで、税金の額に大きな差が出ることになります。

3.判決の概要

男性は、今回の馬券の払戻金について、たまたま買った馬券が的中したものではなく、営利を目的とする継続的行為から生じたものであるため、一時所得ではなく雑所得に該当すると主張していました。

最高裁の判決は、男性の主張を認め、今回の馬券の払戻金については雑所得に該当すると判断しました。すなわち、所得税法上は「営利を目的とする継続的行為」から生じた所得は、一時所得には該当しません。そして、営利を目的とする継続的行為に該当するか否かは、行為の期間、回数、頻度その他の態様、利益発生の規模、期間その他の状況等の事情を総合的に考慮して判断するべきとしています。その上で、本件においては、馬券の購入が一体の経済活動の実態を有するのであるから、当たり馬券の購入代金の費用だけでなく、外れ馬券を含む全ての馬券の購入代金の費用が当たり馬券の払戻金という収入に対応するということができ、本件はずれ馬券の購入代金は必要経費に当たると認定しています。

4.今後の対応

国税庁は今回の判決を受けてコメントを発表し、パブリックコメントの手続を行った上で、所得税の基本通達を改正するとしています。また、当該通達の改正は法令解釈の変更に当たることから、少なくとも判決と同様の馬券購入行為の態様、規模等により馬券の払戻金を受けていた人については、その所得と一時所得ではなく雑所得として取扱い、法令上、可能な範囲で是正を行うことが適当と考えているとしています。

とは言え、今回のケースのような態様や規模で馬券の払戻金を受けていた人はごく少数に限られると思われ、一般の人にはほとんどは影響ないと思われます。

5.最後に

馬券の払戻金が一時所得とされていたのは、馬券の当選が、宝くじなどと同じように「棚からぼた餅」のような臨時的な収入であるとの考え方があると思います。しかし、現代のようにITが発展した結果、個人であってもインターネットを介して大量な取引を継続的に行えるようになったため、法令の解釈が社会の発展に追いついていなかった面もあると思います。

現在では、国境を越えたインターネット取引などについての課税のあり方が国際的に問題となっていますが、今回のケースのように、個人に対する課税においても、情報技術の進歩などに対応して課税の枠組みを変更していく必要がある分野もあると思われます。

 
執筆者:公認会計士・社会保険労務士 吉田 隆伸
 

 

消費税の軽減税率について

1.はじめに

少子化・高齢化が急速に進み、社会保障費が年々膨らんでいく中でこれらの財源を賄うため2014年4月に消費税率が5%から8%に引き上げられました。また、2015年10月に予定されていた10%への引き上げは一旦延期されたものの、与党税制協が取りまとめた合意文章では「経済再生と財政健全化を両立するため、消費税率10%への引き上げは2017年4月に行う」と記述されるとともに「景気条項」の付則が削除され、現状2017年4月には10%への消費税の引き上げが行われる予定になっています。

そして「軽減税率制度については、関係事業者を含む国民の理解を得た上で、(消費)税率10%時に導入する。」とした上で、「2017年度からの導入を目指して、対象品目、区分経理、安定財源等について早急に具体的検討を進める」と明記され、消費税が10%に引き上げられるのと同時に、標準税率より低く抑えられた税率である軽減税率の導入が検討されています。

そこで、今回は事業者及び消費者に大きな影響があると考えられる消費税の軽減税率について解説していきたいと思います。

2.諸外国の状況

日本においては現在導入されていないが、いち早く日本の消費税にあたる付加価値税を導入した欧州においては、過半の国で軽減税率が導入されています。たとえば、2014年時点のフランスでは、標準税率20パーセントに対して、宿泊や外食、調理済食品、保険適用外の医薬品などは7%、食料品、書籍などは5.5%、新聞・雑誌、保健適用内の医薬品などは2.1%というように、複数の軽減税率を設けています。このほか、2014年4月1日時点において標準税率20%のイギリスでは、食料品、医薬品、新聞・雑誌の税率は0%となっています。このように食料品など生活に欠かせない商品・サービスをはじめ、病気の治療・予防に必要な医薬品や新聞・雑誌などについては、それぞれの国の判断で軽減税率の対象としています。とりわけ、食料品に対する軽減税率の適用は加盟28カ国のうち21カ国に上っています。

 

  フランス イギリス ドイツ
標準税率 20% 20% 19%
食料品 5.5% 0% 7%
医薬品 2.1% 0% 19%
新聞雑誌 2.1% 0% 7%
※2014年1月時点 財務省資料より作成

3. 消費税の軽減税率の導入メリットとデメリット

(1)メリット

  1. 間接税の代表的存在である消費税は、所得水準に関係なく、消費水準に応じて比例的に負担を求めることが出来ることから水平的公平に資するという特徴を有している反面、所得に対する負担割合は逆進的となる傾向があります。これは、実収入の増加に従ってやや低下する傾向にあるためと考えられます。この逆進性の問題が消費税に対する不満の大きな要因にもなっています。
  2. 軽減税率のメリットとしては、産業の保護という側面も考えられます。たとえば、フランスにおいてはマーガリンの税率は高率ですが、酪農家を保護するためにバターについては低率に抑えられています。このように、物品ごとに税率を変えることで特定の産業を保護することが出来るという側面があります。

(2)デメリット

  1. 軽減税率を導入すれば、複数税率となるわけですから事業者の事務負担が増加します。たとえば、商品によって税率が異なれば小売店の対応は煩雑になります。小売店以外の事業者であっても、購入する物の中に税率が異なるものが混在することになり事務負担は大幅に増加することが想定されます。日本では、中小企業のIT化があまり進んでいないため、複数税率による事務処理は煩雑となるでしょう。このように、軽減税率の導入による事業者のコストの増加は甚大であり、最終的にそのコストの増加を負担するのは、事業者であり国民です。

  2. 軽減税率を導入することになれば、その対象には食料品等の生活必需品が含まれるであろうことは容易に想像ができると思われますが、生活必需品というのは感覚としては理解できても、実際にはきわめて難しい判断を伴うでしょう。
    先ほどもご紹介した通り、フランスにおいてバターは低い税率であるのに対してマーガリンは高い税率となっており、チョコレート製品のうちカカオの含有量の違いによって異なる税率が適用となっています。また、ファストフードについて店内で飲食する場合とテイクアウトする場合とでは、税率が異なる国も存在します。
    実際に軽減税率を導入することになれば、このような軽減税率の線引き問題は無数に考えられます。

  3. このような軽減税率の線引き問題は、政治利権の温床となる恐れもあります。すなわち、ある品目が軽減税率の対象となれば、通常その売り上げは課税対象となる製品より増えることになりますから、各業界からは何としても自分たちの扱う製品を軽減税率の対象にしてもらおうと必死となることでしょう。何が生活必需品であるのかは、客観的に誰もが判断できる基準は存在しませんから、その適用に対する判断について恣意的な部分を完全に排除することは不可能と言えるでしょう。たとえば、日本新聞協会や日本書籍出版協会などは、国民のあまねく知識を得られるようにするため、新聞書籍、雑誌には軽減税率を適用するように求めていますが、生活必需品として軽減税率の適用対象としてふさわしいかの意見が分かれるところです。

  4. 軽減税率の適用範囲を広げすぎてしまうと、消費税の増税による効果が薄れて税収減となる恐れがあります。
    ある一定の税収を確保することが目的であるならば、軽減税率の適用による税収減を補うために、生活必需品以外の税率をより高く設定することが必要となります。その結果、将来のさらなる増税につながりかねないという問題があります。この点、欧州連合(EU)加盟国では付加価値税の標準税率を15%以上とすることが義務付けられています。

  5. 軽減税率導入のメリットとして消費者、とりわけ低所得者の負担軽減を挙げる論調が多数見受けられますが、金額ベースで考えると消費額が大きい高所得者のほうが税負担の軽減の恩恵が大きくなります。仮に、低所得者の税負担軽減を目的とするのであれば、高所得者も等しく恩恵を受ける軽減税率よりも、給付金や補助金など軽減税率以外の方策も様々考えられます。この点、国際通貨基金IMFは「軽減税率は効率性を阻害し、事務コスト・行政管理コストを増大させ、恒久的な歳入損失をもたらす。低所得者対策は低所得者層に絞った補助金で対処されるべきである。」としています。

3.おわりに

以上、軽減税率導入によるメリットおよびデメリットを挙げてきましたが、軽減税率導入に関わる事業者の事務負担の問題や税務執行面に与える影響も考えるとその導入に関しては疑問点が多く残ります。何より、税制の基本原則である中立性や簡素性の大きな阻害要因となりかねません。最後に、軽減税率については経団連、日本スーパーマーケット協会、日本税理士会連合会、農業法人協会等多くの団体が反対を表明していることを付け加え、政府にはより慎重な判断を期待したいと思います。

 

出典・参考文献等

 
執筆者:竹内 史明
 

連載記事

 
 

ActiveDataによる不正監査手続はお休みさせて戴きます。

 

 

シリーズIFRSの会計処理と開示例第4回 IAS第40号「投資不動産」

1.はじめに

今回は、IAS第40号「投資不動産」の主な論点及び開示例について紹介します。なお、基準の説明については、ニュースレターVol.24のIFRS(国際財務報告基準)第23回 IAS第40号「投資不動産」をご確認ください。

2.投資不動産の範囲

投資不動産とは、賃貸収益もしくはキャピタル・ゲイン又はその両方を目的として保有する不動産をいいます。投資不動産及び投資不動産ではない不動産の例示として、以下が例として挙げられています。

【1】投資不動産の例

(a) 通常の営業過程において短期間に販売されず、長期的なキャピタル・ゲインのために保有される土地

(b) 将来の用途を現在未定のまま保有する土地

(c) 企業が所有し、1つ以上のオペレーティング・リースによりリースされている建物

(d) 現在借手がいないが、1つないし複数のオペレーティング・リースによりリースするために保有されている建物

(e) 投資不動産として将来の利用のために建設中又は開発中である不動産

 

【2】投資不動産ではない不動産の例

(a) 通常の営業過程における販売目的で建設中又は開発中の不動産(IAS第2号「棚卸資産」の範囲)

(b) 第三者のために建設中又は開発中の不動産(IAS第11号「工事契約」の範囲)

(c) 自己使用不動産(IAS第16号「有形固定資産」の範囲)。特に、

① 自己使用不動産として将来使用するために保有する不動産

② 将来開発しその後自己使用不動産として使用するために保有する不動産

③ 従業員が占有する不動産

④ 処分予定の自己使用不動産

(d) ファイナンス・リースにより他の企業にリースされる不動産

また、不動産の一部を賃貸収益もしくはキャピタル・ゲインのために保有し、一部を財又はサービスの生産又は供給、管理目的用に保有するといった複数用途の不動産については、これらの部分を分割して売却することが可能な場合、企業は当該部分を個別に会計処理します。反対に、個別に売却できないと思われる場合は、自己使用目的で保有されている部分の重要性が低い場合に限り、不動産全体を投資不動産に分類することとされています。

3.認識後の測定

IAS第40号では、投資不動産について、公正価値モデル又は原価モデルのどちらかを会計方針として選択し、投資不動産のすべてに適用しなければなりません。

しかし、企業が公正価値モデルを採用した場合であっても、ある投資不動産について、比較可能な不動産の市場が不活発であり、かつ、信頼性のある代替的な公正価値の測定ができない場合は、当該投資不動産は公正価値をもって測定ができないとし、原価モデルにより測定されます。ただし、残存価額は常にゼロをみなします。

4.開示

IAS第40号における開示事項は以下の通りです。

(a) 公正価値モデル、原価モデルのどちらを適用しているか。

(b) 公正価値モデルを適用する場合、オペレーティング・リースのもとで保有している不動産賃借権が投資不動産として分類され会計処理されているか

(c) 投資不動産か否かの分類が困難な場合における、区別するために企業が用いる判断規準

(d) 投資不動産の公正価値が独立鑑定人の評価に基づいている程度。このような評価が行われていなかった場合はその旨

(e) 投資不動産からの賃貸料収入の額

(f) 賃貸料収入を生み出した投資不動産からの直接営業費及び生み出さなかった投資不動産からの直接営業費

(g) 期首及び期末における帳簿価額の調整表

① 増加額(取得による増加、企業結合による取得に基づく増加等)

② 売却目的保有に分類されたか又は売却目的保有に分類された処分グループに含まれている資産及びその他の処分

③ 為替換算差額及びその他の増減

④ 棚卸資産及び自己使用不動産への振替及びそれらからの振替

(公正価値モデルの場合)

⑤ 公正価値修正に伴う正味の利得又は損失

(原価モデルの場合)

⑥ 減価償却額

⑦ 期中に認識した減損損失及び戻し入れた減損損失の額

⑧ 投資不動産の公正価値

(h) 信頼性をもって公正価値を測定することができない投資不動産ついて

① 対象不動産の説明

② 測定できない理由

③ 可能な場合、公正価値の予想される見積額の範囲

④ 公正価値で計上していない投資不動産を処分した事実

⑤ 売却時の帳簿価額

⑥ 認識した利得又は損失の額

(i) 投資不動産の実現可能性又は収益及び売却代金の送金に対する制限の存在及び金額

(j) 投資不動産の購入、建設もしくは開発又は修繕、維持もしくは改良のための契約上の債務

 

開示例

重要な会計方針

投資不動産

投資不動産は、原価モデルを適用し、取得原価から減価償却累計額と減損損失累計額を控除した額で測定しております。

投資不動産は、土地等の償却を行わない資産を除き、当該資産が使用可能な状態となったときから、主として、当該資産の見積耐用年数(10年~50年)に基づく定額法により減価償却を行っております。

 

連結財務諸表注記

投資不動産

(単位:千円)

取得原価 前連結会計年度 当連結会計年度
期首残高 200,000 200,000
取得
処分

10,000
△20,000
期末残高 200,000 190,000

 

減価償却累計額及び減損損失累計額 前連結会計年度 当連結会計年度
期首残高 △50,000 △74,000

償却費
減損損失

処分

△20,000
△4,000
△23,000

10,000
期末残高 △74,000 △87,000

  帳簿価額 公正価値
前連結会計年度 126,000 134,000

当連結会計年度

103,000 110,700

 

前連結会計年度及び当連結会計年度における投資不動産に係る賃貸料収入は10,000千円及び8,000千円であり、賃貸料収入に付随して発生した直接的な費用は4,000千円及び3,500千円です。賃貸料収入は連結包括利益計算書の主に「収益」に含まれております。賃貸料収入に付随して発生した直接的な費用は主に「原価」に含まれております。

 
参考文献

IAS第40号「投資不動産」

詳細解説IFRS実務適用ガイドブック 中央経済社 あずさ監査法人

 
執筆者:公認会計士 関 和輝
 

 

中小企業お役立ち情報20 小規模企業共済制度について

1.はじめに

今回は、小規模企業共済制度についてご紹介します。

小規模企業共済制度は、小規模企業の個人事業主が事業を廃止した場合や会社等の役員が役員を退職した場合に、生活の安定や事業の再編を図るための資金をあらかじめ準備しておくための共済制度です。この制度では掛金を払い込んだ分だけ節税することができるため、節税しながら将来の生活資金を確保できます。

2.制度の概要

(1)加入資格

① 建設業、製造業、運輸業、サービス業(宿泊業・娯楽業に限る)、不動産業、農業などを営む場合は、常時使用する従業員の数が20人以下の個人事業主または会社の役員

② 商業(卸売業・小売業)、サービス業(宿泊業・娯楽業を除く)を営む場合は、常時使用する従業員の数が5人以下の個人事業主または会社の役員

③ 事業に従事する組合員の数が20人以下の企業組合の役員や常時使用する従業員の数が20人以下の協業組合の役員

④ 常時使用する従業員の数が20人以下であって、農業の経営を主として行っている農事組合法人の役員

⑤ 常時使用する従業員の数が5人以下の弁護士法人、税理士法人等の士業法人の社員

⑥ 上記①、②に該当する個人事業主が営む事業の経営に携わる共同経営者(個人事業主1人につき2人まで)

 

(2)掛金

①掛金月額

1,000円から7万円までの範囲内(500円単位)で自由に選択できます。

 

② 増額・減額

掛金月額は、500円単位で、最高限度額(7万円)まで増額できます。一方、下記のいずれかの理由により、掛金の納付の継続が困難であると認められた場合に限り、1,000円まで減額できます。

  • 事業経営の著しい悪化
  • 疾病または負傷
  • 危急の費用の支出
  • 売上げの減少、支出の増加などにより事業経営の著しい悪化が見込まれるとき

 

③税法上の取扱い

掛金は税法上、全額を小規模企業共済等掛金控除として、課税対象となる所得から控除できます。なお、掛金は、共済契約者の収入の中から払い込むため、事業上の損金または必要経費には算入できません。

 

(3)共済金(解約手当金)について

共済金の額は、基本共済金と付加共済金の合計金額(「二階建て方式」)となります。

基本共済金は、掛金月額、掛金納付月数に応じて、共済事由ごとに小規模企業共済法施行令(政令)の別表において規定される金額です。付加共済金とは毎年度の運用収入等に応じて、経済産業大臣が毎年度定める率により算定される金額です。

 

(4)契約者貸付制度

共済契約者の方が納付した掛金の範囲内で、事業資金等の貸付けが受けられます。

①一般貸付け

簡易迅速に事業資金または事業に関連する資金を貸付ける制度

②傷病災害時貸付け

疾病または負傷により一定期間入院をしたため、または災害救助法の適用された災害等または一般災害(火災、落雷、台風、暴風雨等)により被害を受けたため経営の安定に支障が生じた場合に事業資金を貸付ける制度

③創業転業時・新規偉業展開等貸付け

(創業転業時)

掛金納付月数通算制度の利用により、新規開業・転業後に共済契約を再び締結する意思を有する者に対して、新規開業・転業を行う場合に必要な資金を貸付ける制度

(新規事業展開等)

共済契約者の事業多角化に要する資金および共済契約者の後継者が新規開業に要する資金または事業多角化に要する資金を共済契約者に貸付ける制度

④福祉対応貸付け

事業承継に要する資金を共済契約者に貸付ける制度

⑤緊急経営安定貸付け

経済環境の変化等に起因した一時的な売上の減少により、資金繰りに著しい支障をきたしている共済契約者に経営の安定化を図るための事業資金を貸付ける制度

⑥事業承継貸付け

事業承継に要する資金を共済契約者に貸付ける制度

 

(5)共済資産の運用

共済金等の支払いを、将来にわたり確実にすることができるようキャッシュフローを確保するため、満期保有目的の国内債券(簿価)の構成割合を約70%維持するようにしています。平成25年度の運用利回りは4.28%、平成17年度から平成25年度までの平均では2.05%となり、本共済制度の予定利率1.0%を上回っています。運用資産の約80%強を占める自家運用資産が毎年度安定した運用利回りを確保しています。

3.おわりに

本制度の詳細については、下記のパンフレット及びホームページをご参照下さい。

 
出典・参考文献
  1. 小規模企業共済制度パンフレット
  2. 小規模企業共済制度のしおり
  3. 中小機構 独立行政法人中小企業基盤整備機構HP
 
執筆者:公認会計士 中戸 大介
 


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  明誠ニュースレター vol.56
2015年7月10日発行
発行責任者:武田剛
制作:株式会社ゼラス 佐々木景子
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