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発表日時 表題
平成28年2月2日 中小企業の会計に関する指針作成検討委員会は改正「中小企業の会計に関する指針」について公表しました。
平成28年2月4日 企業会計基準委員会は「収益認識に関する包括的な会計基準の開発についての意見の募集」について公表しました。
平成28年2月26日 日本公認会計士協会は法規委員会研究報告第14号「監査及び四半期レビュー契約書の作成例」の改正について公表しました。
平成28年2月26日 日本公認会計士協会は「監査・保証実務委員会実務指針第85号「監査報告書の文例」の改正について」を公表しました。
平成28年2月26日 日本公認会計士協会は「監査・保証実務委員会報告第83号「四半期レビューに関する実務指針」の改正について」を公表しました。
平成28年2月29日 日本公認会計士協会は「会計参与の行動指針」の改正について公表しました。

トピック解説

 
 

「会計参与の行動指針」の改正について

1.はじめに

[1]「会計参与の行動指針」とは

「会計参与の行動指針」は、平成17年に施行された「会社法」において会計参与制度が創設されたことに伴い、会計参与の資格者が所属する日本公認会計士協会及び日本税理士会連合会が共同して会計参与の実務の参考に資するために平成18年4月に取りまとめた行動指針です。

 

[2]「会計参与の行動指針」の概要について

「会計参与の行動指針」は5つの行動指針から構成されており、要旨を以下ご説明します。

 

(1)就任に当たっての行動指針

会社から会計参与に就任の要請があったときの留意事項について記載されています。主に、就任するに先立って会社のことを十分に理解することを求めています。

 

(2)計算関係書類作成に当たっての行動指針(一般事項)

会計参与は、取締役と共同して計算関係書類を作成することが職務(会社法第374条第1項、第6項)ですが、その際に留意する一般的事項について記載されています。

この中で、会計参与の権限として取締役によって作成された会計帳簿・資料の閲覧、謄写並びに取締役及び支配人その他の使用人に対する会計に関する報告の請求権(会社法第374条第2項、第432条第1項)が認められていますが、この際に取締役等の作成した回答書及び計算関係書類の作成に必要な資料が不十分である場合、会計参与は取締役等に追加の資料提供を要請することを求めています。さらに、会計帳簿等に誤りがある場合には、会計参与は取締役に当該会計帳簿等を訂正するよう要請し、是正されたことを確かめることも求めています。これらの会計参与の要請に取締役が応じない場合、会計参与は辞任について検討すべきであるとされています。

また、会計参与の職務の遂行の証跡として、入手した資料や計算関係書類の作成に至るまでの取締役からの回答書、作成後の取締役との合意書等を書面の形として残すことを求めており、会計参与としての任務を怠らず、注意も怠らなかったことを証明する必要上、適切に保存することも求めています。

 

(3)計算関係書類作成に当たっての行動指針(個別事項)

計算関係書類を構成する勘定科目の残高が総勘定元帳残高と一致することや異常な項目の有無、後発事象や偶発事象の存在等について質問と閲覧を中心とした手続きによって行うことを求めています。

 

(4)会計参与報告作成に当たっての行動指針

会社法第374条第1項で求められている会計参与報告の作成において記載すべき事項について記載されています。

会社法施行規則によって記載が求められている事項に加え、取締役と共同で計算関係書類を作成できなかった場合には会計参与報告を作成できないこと、作成された会計参与報告は株主総会等への提出義務がなく、備置場所にて閲覧・交付の請求のあった日現在の株主及び債権者に対して開示を認める資料であることに留意を求めています。

 

(5)備置き、開示に当たっての行動指針

会計参与は計算関係書類及び会計参与報告の備置き及び開示が職務とされていますが(会社法第378条第1項、第2項)、その場所として会社及び会計参与報告等備置場所としての自らの事務所等が定められています(会社法施行規則第103条第1項)。そのために会計参与が実施すべき行動指針が記載されています。

 

[3]「会計参与の行動指針」の改正について

平成28年2月29日に行われた改正においては、「中小企業の会計に関する指針」、「会社法」の改正に対応した見直し等が行われています。

改正により規定の削除や新設、これらに伴う枝番号の変更等多岐に及ぶ変更が行われているので、詳細は「『会計参与の行動指針』の改正 新旧対照表」をご参照頂ければと思います。大まかな改正点については以下の通りです。

 

(1)「会社法」の改正に対応した見直し

平成26年に行われた会社法の改正により、監査等委員会設置会社制度が新設され、委員会設置会社は指名委員会等設置会社と改められました。これに伴い、当指針においても用語の見直しや規定の新設が行われています。

また、責任限定契約(会社法第425条1項)について、改正前は「会計参与としての在職中に報酬その他の職務執行の対価として会社から受け、又は受けるべき財産上の利益の額の事業年度ごとの合計額のうちもっとも高い額に2を乗じて得た額」と説明をしていましたが、改正後は会社法の条文番号を示すにとどめ、読みやすくなっています。

 

(2)使用する用語の見直し

改正前は「計算関係書類の作成に関する事項」と会社法で使用される用語で記載されていた部分を改正後は「会計方針に関する事項」と企業会計基準で使用される表現に変更される等、ところどころで改正が行われています。

 

(3)反社会的勢力の排除の明文化

反社会的勢力の弱体化のために、あらゆる利益供与を防止するための様々な方策が近年では取られています。

これに応じて、会計参与約款において会社及び会計参与に反社会的勢力との関係を有していないことを誓約させることになりました。

もし会計参与がこの誓約に違反した場合には会社は何らの催告をすることなく、会計参与を解任することができ、これは法律上正当な解任事由として取り扱われます。

反対に、会社がこの誓約に違反した場合には会計参与は何らの催告をすることなく辞任することができ、法律上正当な辞任理由として取り扱われます。

2.おわりに

非公開会社の取締役会設置会社で監査役を設置しない場合を除き、会計参与の設置は任意とされています(会社法第327条第2項、会社法第326条2項)。そのため、他の機関に比べると影が薄いものとなっています。しかし、日本の企業の99%を占める中小企業の計算関係書類の適正性を確保する会計参与の役割は非常に大きいものであると思われます。会計参与の存在や役割を中小企業の経営者に対してもっとアピールしていく必要があると筆者は考えています。

 

出典・参考文献

日本公認会計士協会、日本税理士会連合会「会計参与の行動指針」

日本税理士会連合会ホームページ「会計参与制度(http://www.nichizeiren.or.jp/taxaccount/accounts.html)」

 
執筆者:三宮 圭祐
 

 

「監査提言集(特別版)「財務諸表監査における不正への対応」」について

1.はじめに

日本公認会計士協会(以下JICPA)は2016年1月27日に会長通牒平成28年第1号「公認会計士監査の信頼回復に向けた監査業務への取組」を公表いたしました。それと併せて同日公表されたのが「監査提言集(特別版)「財務諸表監査における不正への対応」」です。

2.公表に至る背景

JICPAがこの「監査提言集(特別版)」を公表した背景には、続発して止まない会計不正とそれによって公認会計士による監査の信頼性が揺らいでいる状況があることは言うまでもありません。近年報道等によって大きく取り上げられた会計不正事例としては下記のような事例があります。

  • 2015年 東芝(工事進行基準の不正、半導体在庫の過大計上等)
  • 2015年 マツモトキヨシHD(子会社の架空在庫水増し)
  • 2014年 太陽商会(上場廃止回避のため売上の架空計上等)
  • 2013年 雪国まいたけ(不動産の過大計上、広告宣伝費の繰り延べ等)
  • 2011年 オリンパス(長年の巨額損失の飛ばし)

また、平成26年4月14日にJICPAが公表した「監査業務と不正等に関する実態調査の集計結果」によれば、公認会計士登録後10年を経過した公認会計士のうち(このうちの平成26年1月末で51.5%が調査対象)「過去10年間で「監査業務を通じて不正等と遭遇」した件数は一人当たり平均2.02件。1件以上遭遇したとの回答が約半数(48.8%)」となっております。この調査結果を見ても、今後監査業務に携わる公認会計士が不正等と遭遇する確率は決して低いものではないことがわかります。

3.「監査提言集(特別版)」の内容

このような状況を踏まえて、「監査提言集(特別版)」の前文では「監査業務審査会は、経営者が関与する不正事例は全ての監査人が直面する可能性があり、それらの事例から得た教訓は監査人が各自の行動を省みる契機を提供するものであると認識している。監査人は、経営者不正への対応の困難さを言い訳にすることなく、職業的専門家としての自覚を持って真摯な姿勢で取り組まなければならない。それが監査人に対する社会からの期待である。」と書かれており、具体的な内容としては下記のような内容となっています。

 

[1]職業的専門家としての懐疑心

(1)職業的懐疑心

(2)経営者の信頼性及び誠実性

[2]リスク評価手続とこれに関連する活動

(1)企業環境の理解

(2)コーポレートガバナンスの評価

(3)内部統制の評価手続

(4)グループ監査

[3]特別な検討を必要とするリスクの識別と評価

[4]評価した不正リスクへの対応

(1)監査アプローチ

(2)リスク対応手続

(3)監査チーム内の連携強化

[5]経営者による内部統制を無効化するリスク

(1)経営者とのディスカッション

(2)経営者による内部統制を無効化するリスクの評価

[6]審査

[7]監査時間・期間

 

これと比較すると、2015年7月1日に公表された「監査提言集(一般用)」は11の提言として下記のようにまとめられております。

(11 の提言)

  1. 契約書等の証憑が揃っていることと取引が実在することとは必ずしも同じでない場合があるので注意が必要である。
  2. 監査証拠の証明力の強弱の適切な評価が必要である。
  3. 重要な虚偽表示リスクは、常時変化する可能性があるため、変化を見過ごさない対応が必要である。
  4. 監査手続は、監査人として納得感を得るまで慎重に実施することが大切である。
  5. 新しい業務や事業等は、新たに重要な虚偽表示リスクを生み出すことがある。
  6. 投融資は、経済合理性だけでなく、事業上の合理性を吟味し、その内容を十分把握できるまで監査の結論を出せない場合がある。
  7. 損失処理することと重要な虚偽表示リスクが解消することとは別の問題である。
  8. 時間的制約のある監査人交代は、重要な虚偽表示リスクを著しく高めることがある。
  9. 会計基準の適用には、その設定趣旨を尊重した正しい理解が必要である。
  10. 連結子会社等にも虚偽表示リスクは親会社と同様に存在する。グループの全体統制と構成単位の環境の理解を深めることが必要である。
  11. 監査調書は、監査人の行為の正当性を立証する唯一のものである。

 

「監査提言集(一般用)」が個別の監査契約について監査手続の実施状況及び監査判断の適切性等を調査し、監査業務審査会の審議を通して浮き彫りとなった業務改善事項を公表したものであるのに対し、今回公表された「監査提言集(特別版)」はそのような個別の監査契約の調査事例に基づいたものではなく、もっと幅広く監査業務に携わる公認会計士全体への警鐘として公表されたものであります。特に、「職業的専門家としての懐疑心」および「リスク評価手続とこれに関連する活動」についてかなりの部分が割かれており、この二つをJICPAが監査に対する信頼を取り戻すために重要であると考えていることがわかります。

4.おわりに

会長通牒、監査提言集および実態調査の詳細な内容につきましては、下記のJICPAのwebページをご参照ください。

 
執筆者:海田 泰志
 

連載記事

 
 

ActiveDataによる不正監査手続はお休みさせて戴きます。

 

 

シリーズIFRSの会計処理と開示例第11回 IAS第17号「リース」(後編)

1.はじめに

今回は、IAS第17号「リース」の、借手側の開示項目及び開示例について紹介します。なお、基準の説明については、ニュースレターVol.10のIFRS(国際財務報告基準)第9回 IAS第17号「リース」をご確認ください。

2.開示

 IAS第17号における借手側のリースに関する開示事項は以下の通りです。

【1】借手のファイナンス・リース

(1)資産の種類ごとの報告期間の末日現在の正味帳簿価額

(2)報告期間の末日現在における将来の最低リース料総額の合計とそれらの現在価値との調整。それに加えて、報告期間の末日現在における将来の最低リース料総額の合計及びそれらの現在価値を、次の各期間について開示する。

(a)1年以内

(b)1年超5年以内

(c)5年超

(3)期中に費用として認識した変動リース料

(4)報告期間の末日現在の解約不能サブリース契約に基づいて受け取ると予想される将来の最低サブリース料総額の合計

(5)借手の重要性があるリース契約に関する、少なくとも次の事項を含む記述

(a)未払い変動リース料の算定の基礎

(d)更新または購入選択権及びエスカレーション条項の有無と条件

(c)配当、追加借入及び追加リースに関する制限などの、リース契約によって課された制限

 

【2】借手のオペレーティング・リース

(1)次の各期間について解約不能オペレーティング・リース契約の下での将来の最低リース料の合計

(a)1年以内

(b)1年超5年以内

(c)5年超

(2)報告期間の末日時点で、解約不能サブリース契約の下で受け取ると予想される将来の最低サブリース料の合計

(3)当該期間の費用に認識したリース料及びサブリース料(最低リース料総額、変動リース料及びサブリース料の各金額に区分)

(4)借手の重要なリース契約に関する、少なくとも次の事項を含む記述

(a)支払うべき変動リース料の算定の基礎

(d)更新または購入選択権及びエスカレーション条項の有無と条件

(c)配当、追加借入及び追加リースに関する制限などの、リース契約によって課された制限

 

ここで、エスカレーション条項とは、一定の条件に基づき、リース料を引き上げる条項を言います。例えば、毎年リース料を数%引き上げるといった条件があります。

 

開示例

 

会計方針

リース契約により、資産の所有に伴うすべてのリスクと経済的便益を実質的にすべて借手に移転する場合、当該リース取引はファイナンス・リースに分類しております。ファイナンス・リース以外のリース取引は、オペレーティング・リースに分類しております。

当社グループにおけるファイナンス・リース資産は、機械装置及び工具器具及び備品等であり、リース開始時のリース資産の公正価値と最低支払リース料総額の現在価値のいずれか低い金額をもって資産計上しております。認識されたリース資産は、当該資産の見積耐用年数またはリース期間のいずれか短い方の期間にわたって定額法で減価償却しています。

リース債務は、短期有利子負債又は長期有利子負債として連結財政状態計算書に負債計上しております。金融費用は、負債残高に対して一定の期間利子率となるように、リース期間にわたって期間配分しております。

オペレーティング・リースの支払リース料は、リース期間にわたって定額法により費用として認識しております。

 変動リース料は、発生した期間の費用として認識しております。

 

連結財務諸表注記

リース

(1)ファイナンス・リース

当社グループは、ファイナンス・リース契約に基づき機械装置及び工具器具及び備品等を中心とした有形固定資産を賃借しております。一部のリース契約には、割安購入選択権が含まれております。サブリース契約及びエスカレーション条項並びに、リース契約によって課された制限(配当や追加借入及び追加リースに関する制限等)はありません。

ファイナンス・リース契約に基づく将来の最低支払リース料総額及びそれらの現在価値は、以下のとおりであります。

 

(単位:百万円)
項目 前連結会計年度
(×1年3月31日)
当連結会計年度
(×2年3月31日)
最低支払
リース料総額
最低支払
リース料総額
の現在価値
最低支払
リース料総額
最低支払
リース料総額
の現在価値
1年以内 500 450 550 500
1年超5年以内 2,100 1,800 1,950 1,830
5年超 - - - -
合計 2,600 2,250 2,500 2,330
金融費用等控除額 △350 - △170 -
最低支払リース料総額の現在価値 2,250 2,250 2,330 2,330

 

(2)オペレーティング・リース

前連結会計年度及び当連結会計年度における連結損益計算書に計上された賃借料の金額はそれぞれ、500百万円、800百万円であります。

解約不能オペレーティング・リースの将来最低支払リース料は以下のとおりであります。

 

(単位:百万円)
  前連結会計年度
(×1年3月31日)
当連結会計年度
(×2年3月31日)
1年以内 400 700
1年超5年以内 2,000 1,500
5年超 200 -
合計 2,600 2,200

 

重要なリース契約には、契約を更新する権利が含まれています。また、変動リース料、購入選択権、エスカレーション条項及びリース契約によって課された重要な制限(配当や追加借入及び追加リースに関する制限等)はありません。

 
参考文献

IAS第17号「リース」

詳細解説IFRS実務適用ガイドブック 中央経済社 あずさ監査法人

 
執筆者:公認会計士 関 和輝
 

 

中小企業お役立ち情報28 中小企業・小規模事業者への資金繰り支援強化

1.はじめに

平成28年2月22日に中小企業庁より、中小企業・小規模事業者の資金繰りの支援を強化するとして、「平成27年度補正予算」を踏まえた融資制度及び保証制度の拡充・創設を発表しました。今回は、拡充・創設された融資制度及び保証制度の概要をご紹介します。

2.概要

[1]日本政策金融公庫による資金繰り支援

地方での雇用確保等を通じた地方創生に資する取り組み、待機児童ゼロ、介護離職ゼロ実現に資する保育・介護事業、TPP等を契機とした新たな海外展開、増加する訪日外国人旅行者の需要獲得のための投資、円滑な事業承継といった前向きな取り組みを行う中小企業の資金繰りを支援するために、日本政策金融公庫の融資制度が拡充・新設されました。

 

(1)「まち・ひと・しごと創生貸付利率特例制度」の創設

「まち・ひと・しごと創生総合戦略」の基本目標に沿った事業を行う事業者について、各貸付制度に規定する金利を0.1%引下げる制度が創設されました。

対象者は、以下のいずれかの要件を満たす者となります。

①地方で、新たに1名以上(従業員21名以上の企業の場合は3名以上)の若者(35歳未満)を雇用する者

②本社を東京23区から地方に移転する者、又は店舗・事業所等を地方に新設もしくは増設する者

③子育てサポ-ト企業(くるみんマ-ク)の認定を取得している者

④「地方版総合戦略」に基づき、地方創生に資する事業として地方公共団体が認めた事業を行う者

 

 

(2)「ソ-シャルビジネス支援資金」の拡充

保育・介護サ-ビス事業者は業歴を問わず金利が0.9%引き下げられ、また、他の制度とは貸付限度額が抜枠となりました。

制度の概要

対象者 ソ-シャルビジネスを営む者
対象資金 設備資金及び運転資金
貸付限度額 (国民生活事業)別枠7,200万円(運転資金4,800万円)
貸付期間 設備資金20年以内、運転資金7年以内
貸付金利

基準利率(国民生活事業)1.85%

ただし、以下の条件に該当する場合は利率の引き下げを行う。

①認定NPO法人:基準利率-0.4%

②社会的課題の解決を目的とする事業を新たに営もうとする又は営んでいる者:基準利率-0.4%

③保育・介護サ-ビス事業等を新たに営もうとする者又は営んでいる者:基準利率-0.9%

 

(3)「海外展開・事業再編資金」の拡充

海外販売強化又は海外生産委託を新たに行う(海外展開後5年以内も含む)事業者について、金利が0.4%引き下げられました。

制度の概要

対象者 経済の構造的変化に適応するために海外展開をすることが経営上必要であり、かつ、一定の要件を満たす者
対象資金 設備資金及び(長期)運転資金
貸付限度額

(中小企業事業)7億2,000万円(長期運転資金2億5,000万円)

(国民生活事業)7,200万円(運転資金4,800万円)

貸付期間 設備資金15年以内、運転資金7年以内
貸付金利

基準利率(中小企業事業)1.30%(国民生活事業)1.85%

ただし、以下の条件に該当する場合は利率の引下げを行う。

①海外直接投資(追加投資を含む)を行うものであって、ク-ルジャパンの推進に資する事業を行う者:基準利率-0.9%

②海外直接投資(追加投資を含む)を行うものであって、一定の要件を満たす者:基準利率-0.65%

③海外展開事業(海外直接投資(追加投資を含む)を除く)を行うものであって、ク-ルジャパンの推進に資する事業を行う者:基準利率-0.4%

④海外販売強化又は海外生産委託を新たに行う者(海外展開後5年以内の者を含む):基準利率-0.4%

 

(4)「企業活力強化資金」の拡充

消費税免税店の許可を取得した事業者(取得する見込みの者を含む)が、訪日外国人旅行者の需要獲得のために必要な資金について、金利が0.65%引下げられました。

制度の概要

対象者 卸売業、小売業、飲食サ-ビス業及びサ-ビス業のいずれかの事業を営む者又はこれらの者を構成員とする事業協同組合等
対象資金 設備資金及び(長期)運転資金
貸付限度額

(中小企業事業)7億2,000万円(長期運転資金2億5,000万円)

(国民生活事業)7,200万円(長期運転資金4,800万円)

貸付期間 設備資金20年以内、運転資金7年以内
貸付金利

基準利率(中小企業事業)1.30%(国民生活事業)1.85%

ただし、以下の条件に該当する場合は利率の引下げを行う。

①特利対象設備を取得する場合:基準利率-0.4%

②地域商店街活性化法第5条第3項に基づく認定商店街活性化事業計画を作成した商店街振興組合等の地区において事業を行う場合:基準利率-0.65%

③消費税免税店の許可又は免税手続事業者の承認を受けた者又は受けようとする者が訪日外国人旅行者対応に係る事業を行う場合:基準利率-0.65%

 

(5)「事業承継・集約・活性化支援資金」の拡充

小規模事業者から事業を承継する事業者について、金利が0.65%引下げられました。

制度の概要

対象者 事業の譲渡、株式の譲渡、合併等により、地域経済の産業活動維持・発展に資する事業や企業を承継するものであって、一定の雇用効果が認められる者
対象資金 設備資金及び(長期)運転資金
貸付限度額

(中小企業事業)7億2,000万円

(国民生活事業)7,200万円(運転資金4,800万円)

貸付期間 設備資金20年以内、運転資金7年以内
貸付金利

基準利率(中小企業事業)1.30%(国民生活事業)1.85%

ただし、以下の条件に該当する場合は利率の引下げを行う。

①安定的な経営権の確保により事業の継続を図る者であって、次のいずれかに該当する者:基準利率-0.4%

(後継者不在、分散資産取得、個人事業主、持ち株会社)

※後継者不在の小規模事業者から事業を承継する場合:基準利率-0.65%

②経営承継円滑化法に基づく認定を受けた代表者:基準利率-0.4%

③最近における付加価値額が増加しているものであって、今後も計画により、付加価値向上と雇用の増加が見込まれる者:基準利率-0.4%

 

[2]信用保証協会による資金繰り支援

・「条件変更改善型借換保証」の創設

経営者に業務改善の意欲があるにもかかわらず、返済条件の緩和の実施により前向きな金融支援を受けることが困難な中小企業・小規模事業者を対象に、既往の保証付きの複数債権を一本化することにより毎月の返済負担を軽減し、また、新規事業資金の追加を可能とする制度が創設されました。

制度の概要

保証期間 15年以内
計画策定等

返済条件の緩和に至った経緯等の状況説明書を作成すること

金融機関及び認定経営革新等支援機関の支援を受けつつ、事業計画を策定すること

策定した事業計画の進捗報告を行うこと

保証料 信用保証協会の所定利率
保証割合 責任共有制度の対象(8割保証)
取扱開始日 平成28年3月1日
 

出典・参考文献等

中小企業・小規模事業者への資金繰り支援を強化します~本日から一部制度の運用を開始します~

http://www.chusho.meti.go.jp/kinyu/2016/160222kinyu.htm

 
執筆者:公認会計士 中戸 大介
 


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  明誠ニュースレター vol.64
2016年4月11日発行
発行責任者:武田剛
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